2013年6月27日木曜日

【2013/06/24】本番まで一週間を切って

どうも森です。
本番まで、いよいよ一週間を切りました。
今日からのブログは少し趣向を変えて(ネタバレ防止も含めて)、僕の所感雑感を中心にお送りします。

*このブログ投稿に書かれた公演日時に一部誤りがありました。申し訳ございません。修正致しましたので、ご確認ください。

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『星座から見た地球』
6/29 19:00 , 6/30 16:00 @高槻市立生涯学習センター多目的ホール 
作:呼吸らメンバー 原作:福永信(新潮社刊『星座から見た地球』)
構成・演出:ウォーリー木下(sunday/オリジナルテンポ)
公演情報・チケット予約:http://www.gekken.net/actorslabo/takatsuki/worry.html

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Twitterで「いわれてみれば『星座から見た地球』は演劇的な小説かも」といったコメントをいただいたこともあって、稽古を見ながらこの作品のもつ演劇性についてぼんやりと考えています。まあ、もっと平たくいえば、この人たちは何を演じているんだろう、ということを考えています。

何を演じているのか、何かを演じるにはどうしたらいいのか、そもそも演じるとはどういう行為なのか……こうしたことは作品のなかでも言及されますが、稽古を見ていてもやっぱり考えさせられます。それはこの作品が固有の名前や人生を持った交換不可能な人物が決まったシチュエーションのなかで単一のドラマを紡いでいくようなもの(いわゆる近代劇)ではないからといえばそうなのですが、とはいえ、「演じる」という行為の意味も普通はそういう近代劇の形式を前提に「演じる=何かになりきる」と了解されているのでしょうから、あらためて、こういう作品における「演じる」の意味はずいぶん不可解なものに思えてくるわけです。

原作の『星座から見た地球』では、登場人物のAやBやCやDは、同じAやBやCやDという名前でありながらエピソードごとにどうやら違う人物らしい。つまりこの状態は、Aという何者かが、あるエピソードに登場するAという何者かを演じている、とも言い換えることができるはずです(きっとTwitterでコメントをくださった方はそのことを「演劇的」と指摘したのではないかと思います)。文字だけでつくられる小説という形式で人物名を記号にする、しかも名前とその人物を一対一で対応させないという発想によって福永さんはこのややこしい「AがAを演じる」という状態を仕掛けています。ではこれを演劇にするには演じているAにそのまま俳優を充てがえばいいかといえば、それでは記号の交換可能性がすっかり失われてしまうわけですから、『星座から見た地球』を普通の短篇集にしてしまうことになりかねません。となると、問題は「Aという記号を、どうやって交換可能な記号のまま演じるか」ということになり、これは先述した「演じる」の意味合いに対して矛盾をきたしますから、やっぱり「演じる」の意味合いについて別の角度から捉え直さなくてはならなくなってきます。

その試みとして今回の作品で意図されていると見受けられるのは、登場人物(今回の場合はAなどの記号)と出演者を一対一で対応させずに、複数の登場人物に複数の出演者たちで対応するという方法です。より平たくいえば、「演じる」という行為をみんなでやってみている、という感じでしょうか。それがはたして「演じる」といえるものかどうかは決めようがないし、もしかしたら「演技している」というより「何らかの振付にしたがって集団で動いている」といったほうが正しいと思われる方もいるかもしれません。とにかく今回はそんな方法を試みています。

この方法のおかげで、今回の作品では複数の出演者が無数の登場人物に見えたり、ひとりの子どもに見えたりします(うまくいけば)。『スイミー』というレオ・レオニが書いた有名な絵本がありますが、あんな感じでしょうか?あるいはそれこそ星座のように、ひとつひとつは見分けのつかない星々が星座になることで名前や物語を持ち始める、あの感じに近いのかもしれません。

今回の呼吸らの作業を見ていると、「演じる」という行為の意味もそういうことなのではないかと思えてきます。既存の何者かになりきるという、近代劇の場合とは少しちがった意味での何かになる行為。まだ何だか分からない何かにこれからなっていく行為。まあ、もしかしたら何だか分からないまま終わるかもしれませんが、それはもうご愛嬌ということで(笑)


「そんな話されても全然想像がつかないんですけど!」という方、是非劇場へお越しください。
もしくは第2期からの参加も歓迎しますよ!(←先週書いたことを思い出した)
http://www.gekken.net/actorslabo/takatsuki/offer.html

いろいろお待ちしておりまーす。


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