2013年3月27日水曜日

【2013/3/25】C.T.T.振り返り

3月25日は稽古というより話し合いでした。
内容はもちろんC.T.T.の振り返りと、6月本公演に向けた今後のこと。

まず、公演を終えてみてのそれぞれの感想を出し合うところから始まり、そこから6月の公演はどんなものにするかという議論へ。スケジュールや役割分担を経て、最終的にテーマが決定。ちょっとしたアイディア出しをして終了しました。

なんかコワいひとがいるよう!

以下、みなさんの発言を追ったメモを掲載します。
(本当は要約しようかと思ったのですが、面白かったのでほとんど全部公開しますね)


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【反省会、振返り】

きく:自分が見えているとか知っていること以上のものや価値を見ようとする力みたいなものが養われた。日常でもモノの見方が変わった。コミュニケーションツールとしての言語についても、条件を狭めたら(目が見えない、耳が聞こえない、など)いろんな有り様があることが見えてきた。言葉や言語から生み出されるものがもっとあるのかなと思った。

がくりょう:「演じることについての考察」。今までやってきた表現方法とはちがうパフォーマンスを体験したが、これまでの自分のやり方に引っ張ってしまい、得られることが得られなくなりそうだったので、自己流の理解ではなく言われたことをなるべくそのまま受け入れられるようにしないといけないと思った。

うらせ:こういう芝居は面白いと思った。連鎖、増幅など、いろんな発見があった。普通は言葉を間違えてはいけないなど制約があったりして緊張してしまいそうだが、このやり方ならのびのびとできると思った。ただ、上演中、共演者の出す音や声に気づくことができていなかったことにYoutubeを観て気づいた。

いまき:やってみて面白かった。今まで違う頭の使い方をした。ウォーリーさんの言うこと(考えずにやる、など)がうまくできなかった気がするのは自分の課題だと思った。

ようこ:今木に同じく、やってみて楽しかった。みんな子供のようだったし、自分も本当に子供のように遊んでしまったけど、はたしてよかったんだろうか?(と思うくらい楽しかった)

やこ:すごく楽しかったけど、自分の内面と対話することが多く、自分について新たな発見が多かった。本番も楽しかったけど、やりきれていない自分がいたなあと。衝立の裏のシーンについて、かなえさんたちと振り返ったとき、自分は表面的・即時的にしかやりとりしていなかったことに気づいたりした。結果的にウォーリーさんの意図とは逆に頭で考え過ぎていた。

かなえ:台詞を覚えない芝居を初めてやってみたので新鮮だった。台詞を覚えようとしている他のメンバーを見て、「大変やなあ」と思いつつ、自分としてはすごく気が楽だった。それは変な(余計な)気合いやスイッチが入らなかったし、いいことだったなと思った。

さえこ:もっとできたんじゃないかという思いは単純にある。周りがやることをどれだけ受け止められるか、その状態をつくらないとなあと。見に来た子がすごく手厳しい意見を言ってきた。「面白くなかった」「いらいらした」「全体が同じに見える。関係性がばらばらだから」「緊張感がない。つくったものをひとに見せる態度じゃない。お金や時間をとって見せる態度じゃない」「観察力がない」「遠慮しているような感じがあった。あの場を壊すような何かがあってもよかった。全員が迷っているように見える」「子供のイメージが昭和っぽい」「全然はじまっていない。6月に間に合うのか」その感想(全体が同じに見える)を聞いて、この方法論には多様性があると思った。同じ方法論で別のヴァリエーションができないものかと思った。

でん:個人的には台詞を入れなきゃいけないというプレッシャーもなかったし、自然に舞台に出て行けたかなと思った。ただ実際のところはお客さんの反応が得られなかったし、あの距離で上演しているのに手応えが得られなかったのは、お客さんの気持ちの中までは入れていなかったのかなと思った。でもみんなのびのびやれていたし、そういう作らない演技ができたのはよかったと思った。さえちゃんから出た「昭和」ということでいえば、もう少しそこを強調してもよかったのかなと。そういう意味ではちょっと味気なかったのかもしれない。

てい:みんなからはわりと「難しかった」という意見も出ていたけど、私は結構いきいきできた気がしている。「考えない」ということでやったけれど、自分はひらめきも考えることのひとつだと思っている。同じ「考える」ということでも論理的な思考とひらめきの違いがあるとは思う。「岳良のシーンを音楽的に」という指示についてなど稽古外でもいろいろ考えたし、稽古や上演中に考えないためには、そういう稽古外で考えるなどの準備が必要かなと思った。今後もこの方法でやっていくなら「飽きないようにやるにはどうしたらいいか」ということが課題になると思っている。

あおき:もっと、ずっと見ていたら子供に見えてくるかも、と思った。劇場で見ていて、ラストシーンが美しかった。

ウォーリー:今回お金をもらってやった公演だったけれど、「演劇をつくること」と「公演をすること」はやはり違うので、6月に向けてまずその話を。「ゼミのようなかたちで進める」と言ってスタートして、自分としては「演劇をつくること」をやっているつもりでCTTまでやってきたので、個人的にはここから6月に向けて突然「公演をすること」(つまりは興行をすること)に切り替えるのはすごく反対ではある。あるいは(身内の達成感で完結するような?)成果発表会のように位置づけるのもこれまでの方向性がズレてしまう気がするので、すごく気持ちが揺れている。ただ、実験的なことをやって終わってしまうのも……という気もしている。とはいえ、公演を成立させるためにできること(お客さんをたくさん呼ぶなど)は全部やったほうがいいとも思っている。つまりモチベーションとして成果発表会ということで甘んじたくはない。
CTTでやったような実験的な方法論をやりたいならやったらいいとは思っていて、結果としての動員やお客さんの感想はあまり関係ないとは思っている。

かなえ:アクターズラボの理念にあるような「観るに耐えられない芝居をしない」ってことですか?

さえこ:公演や芝居はお客さんがいて成り立つものだから、自分たちのできること・やりたいことの範囲で終わらず、「見る・見られる」という関係を成立させるってことが大切にしなきゃいけないことなのかなと思う。

かなえ:このメンバーで普通に楽しめる芝居をつくることは簡単。でもそのことに意味はあるのか。

ウォーリー:稽古で得られることのほうが大きい場だなと思っていて、心のどこかで「なんで観客に見せなきゃいけないんだろう」と思っているところがある。ただ、こういう仕事をしてきているし、公演をするとなると興行として観客を楽しませるためのスイッチが入ってしまうと思っていて、いまいち整理ができていない。

やこ:今回実は身近なひとたちを誰も呼ばなかった。家族に対してさえ「来なくていい」と。なぜなら、普通のひとたちは普通のお芝居を求めるだろうから。だから今のウォーリーさんと同じように迷っていた。今まではわりと厳しいタイプの観る側だったから、今回も観る側だったらすごく怒っていたと思う(実験的なものは自己満足に見えて嫌い)。やっぱり面白いものが好きだし、誰かを誘うことを考えてみても「ここが面白いよ」って言えるものをやりたいという気持ちがある。

きく:興行をするにあたって、無報酬でやるのと報酬をもらってやるのと、どう違ってきますか?

~森が何か発言して、誰かの質問があって話題がチケットの話に~

あおき:チケット代は映画と同じ1800円です。学生は1500~1300円だったかな。

きく:高槻でやっているので、高槻のひとを呼びたい。

やこ:でも高槻市民に観てもらうなら、もっとわかりやすいものじゃないとダメだと思う。

あおき:ちなみに10月のごまさんの公演ではクラスのひとが呼んだお客さんでほとんど客席が埋まった。あんまり自分の知らない人がお客さんになるとは考えてもらわなくていい。

がくりょう:僕個人としてはすごく実験的なことをしてみたい。ちがうやり方でつくったものでも、いつもと同じところに持って行ったら(内容的な着地点が突飛でなければ、というニュアンス?)お客さんもそんなに戸惑わないと思う。そういう好奇心はみんなはないのかな、とも思う。わかりやすいものについても一長一短だと思う。期待したものと違ったけどすごいって思うお客さんもいるだろうし、維新派を観てストーリーがなくても面白いと思う人もいるし、全員がいいと思うものはないと思うし、とにかく僕は実験的なことがしたい。

さえこ:お客さん全員が面白いと思わないかもしれないと思いつつ、でもやってやるかっていう、それでも自分たちはこれがしたいしやるんだっていう怖さは持っていないといけないと思う。そういうことを乗り越えてこそ強い作品がつくれると思う。

いまき:自分は普段お金をとって公演をしていないので、金額設定って何なのかなあと。チケット代って何にもとづく金額設定なのかなあと不思議に思ったりする。

ウォーリー:今回については予算的なことで決まっているわけですよね。でもまあ普通は利益計算があって決まってくる。

いまき:今回に関してはあまりチケット代のことを前提にして考えなくていいんじゃないか。

かなえ:結局はみんなが面白いと思えるものがつくれれば、自信をもってお客さんも呼べるし、それでいいんじゃないかと。

きく:高槻ラボというのは守られたパッケージだし、そういう意味では実験的にやっていいんじゃないかと思う。

てい:10人観て10人が面白いというのは無理だろうし、賛否両論で半々になったり、いろんな感想が得られるような作品になったらいいと思う。

ウォーリー:結果として「すごい作品をつくろう」というモチベーションに上がっていくことになるだろうとは思っているんですけど(それは僕にとって当たり前にやってきた「いつものこと」だし)、僕はあんまりそういう意識で来てなかったわけで、どっちかというと参加メンバーがどういうことを面白いと思っているかに興味がある。だからそこにお客さんという新しい人たちが入ってきたときにどうなるのかなっていうところで、モヤモヤしている。

~休憩~

【スケジュールについて】

~本番までの日程をホワイトボードに書きだしました~

ウォーリー:僕がいなくなるまで12回か……よし、公演をしよう。

みんな:えー!

ウォーリー:CTTでやったものを使っていきます。テキストは『星座から見た地球』を使います。この本の文体(雰囲気)、単語といったものは基本的に拝借してやっていきますが、物語は使わないでオリジナルのものにしていきます。ただ、この本がやっぱりいいなあと思うのは、ひとつはご縁として福永さんが来てくださって「全然違うものになることを期待しています」と言ってくださったこと。そこに感謝してつくりたい。それから今日ずっとストーリーラインとか物語という言葉が飛び交っていましたけど、この本のいいところは勝手にストーリーをつくっていけるところだと思っていて、だから「星座」なんだと思うんですけど、(星を線で結んで勝手に星座をつくるみたいに)お客さんが自分で自分なりにストーリーをつくれたらいいなと思っています。
アンサンブルとしての場面(CTTの方法論)と、パーツとしての場面と半々くらいで構成しようと思います。

~ウォーリーさん、ホワイトボードにスケジュールを書き込んでいきます~

4/1 パーツづくり
4/8 パーツづくり
4/15 パーツづくり
4/17 パーツづくり(30パーツ完成目標)
4/22 アンサンブル
4/24 アンサンブル
4/29 アンサンブル
5/1 プロット完成、場面を整理して並べていく
5/6 場面を整理して並べていく
5/8 場面を整理して並べていく
5/15 台本書いてくる
5/20 半分くらい出来上がる
5/27
6/3
6/10
6/12
6/17 第一回通し
6/19
6/24
6/25
6/26
6/27
6/28 仕込み
6/29,30 本番

【公演に向けた役割分担】

・宣伝(でん、いまき、てい)
チラシ納品は4月15日。何か企画があれば、ひとまずリストアップ。(他のラボクラスの参加者への宣伝など)

・小道具(きく、がくりょう)
追々、作品が見えてきたら予算に合わせて買いに行ったり、みんなに呼びかけたりしながら取りまとめしていく。

・衣装(ようこ、さち)
追々、作品が見えてきたら美術プランなどに合わせて取りまとめしていく。

・音響(うらせ)
稽古場で必要になった効果音の収集。選曲もする?(1930~1950年代のジャズ中心?)

・ホームページ(ヤコ、かなえ)
チラシ納品に合わせて特設ページを開設。その他、企画を立ち上げて実施?

・演出助手(さえ)
森と一緒に内容の記録をとってウォーリーさんに連絡。

【ふたたび公演の話…】

ウォーリー:僕がどうして(作品の中心、あるいはパッケージとしての)台本を用意しなかったかといえば、みんなの出自がバラバラだったから。逆に台本があると悪い意味でそのバラバラさが出てしまう。それでアート博でやったアンサンブルの手法をつかってやってみた。それぞれのいたフィールドや背景や感覚がうまく作用するようにするようにやった。だから岳良が気にしていたようなことはそんなに問題ではないと思っている。自分の課題として持っていてもらえれば。

~みんなから出た振り返りをさらに振り返り。共有するかたちでクリアされたこともあれば、共有できずにクリアされたことも……~

テーマ(キーワード):星座
「観客が勝手にそう思うように」芝居をつくれたらいい。
観客のなかに物語が芽生えるような芝居。
観客が勝手にそう思うような地図をつくる。

ウォーリー:どうしたらできると思いますか?ひとり一個ずつ出してください!

がくりょう:主張し(すぎ)ないことが大切(「子供を演じます!」とか言わない)
いまき:意味を持たせない
てい:共通する主題やヒントを盛り込む
かなえ:あえて喋らない(台詞に頼らない)
でん:見た目、衣装をそれらしくしない(無機質にする?)
きく:自分を意識しない
さえ:関係性や関係からつくる
うらせ:できるだけノイズをたくさん出す(理性的に、客観的に)
がくりょう:完全に意味がわからないものにしない
ようこ:本気であそばないようにします……(ウォーリー:音で会話する、とか/てい:感情だけで会話する、とか)
ウォーリー:見えそうで見えない舞台美術
やこ:でんさんとの最初のシーン(いまの自分の年齢の人間として登場してから子供にもどった過程が好き)
かなえ:強烈なインパクトではなく、心の片隅にひっかかるような小道具やモチーフを使う
さえ:沈黙をどうつかうか

【来週】
みなさん『星座から見た地球』をひと通り読んできましょう!
何か分からないものが主役(でも途中で分かるひともいるかも……)のシーンをつくろう!
アイディアを持ち寄って、グループ分けとかして、つくってみます。

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タイピングが追いつかなくて抜けている話もありますが、それでも興味深い話がいくつもあります。みなさん視野が広いというか深いというか……。

上記のように来週からはまたクリエイションとなる予定。
どんなことになるやら、楽しみです。




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