2013年3月12日火曜日

【2013/3/11】通し、返し、返し通し…

読者のみなさん、はじめまして。東京で奮闘する伊藤さんの後任の森です。
今後このブログもしばらく僕の目線からのご報告となります。
なるべく分かりやすくお伝えできるように努めたいと思います。どうぞよろしくです。


さてCTT本番まで、この日を入れて稽古はあと2回。
一応そのスケジュールは知っているものの、ウォーリーさんとも呼吸らのみなさんとも初対面の自分…。
本番近いし、もしかして結構ピリピリしてたりして…と緊張しつつ、まあなるようにしかならないでしょ!と気を取り直しつつ、開始時間まで身の置き場に困りつつ。

開始時間となり、ウォーリーさんに促していただくかたちでお互いに自己紹介。
みなさん気さくな人たちのようでひと安心。

安心したところでウォーリーさんから「それじゃ3分後に通しを始めます」。
…はい、とりあえず内容とみなさんの顔と名前を頭にたたきこみます!


というわけでこの日は通し稽古に始まり、場面を止めて手直ししながらの返し稽古、少しずつ返しながらの通し稽古と進んでいきました。




最初の通し。
僕が制作過程を知らない上に初見だったせいも多分にあったのだと思いますが、作品全体のイメージ・世界観といったものや各々の動作はかなり具体的に整理されているものの、それらがやや断片的で、ひとまとまりの全体として見えてこないといった印象がありました。あえてまとまりは求めずに実験に徹する方向なのかなあ、なんてことも勝手に想像したりしながら、名前と顔を覚えるのに必死だったこともあり、いまひとつ入り込むことができず……。

通しを終えて、ウォーリーさんによるダメ出しの時間。
内容は概ね以下のとおり(名前の間違いがあったらごめんなさい!)。

「冒頭は伝さんとYAKOさんのあいだに何かが起こるまで、ようこさんは出てくるのを待って下さい」
「ようこさんの最初の一言、“A”というアルファベットがちゃんとお客さんに分かるように何か工夫を考えてみてください」
「小道具の奪い合いをする際、<奪った/奪られた>というアクションにメリハリをつけてください」
「かなえさんが文集を読みながら歩くとき、肩に顔を乗せてうしろから覗き込んでくるさっちゃんの動きを連動させてください」
「菊ちゃんがマイクでDの話をするときなんだけど、喋りながら身体を動かして何か動きを付けられないかな」
「カルタ取りに場面が変わるところは今木くんの動きをきっかけにしよう。今木くんとしては最初は猫としてカルタに手を出してくれていいんだけど、そこに他のひとも加わっていくうちにカルタ遊びの動きになっていく感じで」

本番が近いこともあってか、ウォーリーさんのダメ出しは「出演者の芝居を詰めていく」というより「舞台上のレイアウトを探っていく」という感じで進んでいきます。




それらのダメ出しを受けて、もう一度はじめから場面を追ってみることに。
「指示した部分は言ったとおりにやってみてください」とウォーリーさん。
途中何度も止めてアイディアを出しては返し、舞台全体がどんなふうに見え方が変わるか、全体にどんなグルーヴが生まれているかといったことを探っているようです。

ウォーリーさんのオーダーは、ねらいは具体的でありながら、その方法や手段についてメンバーに任せていることが少なくないように感じます。そこで実際にどんな動きをするのか、どんなことを言うのか、その余白の部分は各々が即興で対応していきます。
そこですごいのは、芝居を止めてしまったり、何もできずにフリーズしてしまったりするメンバーがいないこと。頭で整理できていなくてもやってみるし、周りもそれを受け取ってつないでいく。当たり前のことのように思われるかもしれませんが、決して簡単に成り立つ状態ではないと僕は思います。


そんなふうに様々な変更と調整を経て、最後にあらためてはじめから通してみました。
途中でウォーリーさんから新しい提案が出されたり、メンバーの近くに行って耳打ちしたりすることはあったものの、あまり長く立ち止まることなく芝居は進んでいきます。
この日の最初の通し稽古とくらべて、この返し通しでは随分まとまりが出てきたというか、少なくとも観ている側として、舞台の「重心」のようなものとその「重心の移動」がとても明確になったように思いました。
まあ他にもいろいろ書きたいこともなくはないのですが、いまいち言葉にまとまらないのと、何より本番が近いので、あとは乞うご期待!ということで……。


というわけで、あらためて公演情報を貼り付けておきます。
読者のみなさま、あるいは検索してここにたどり着いた方々、是非お誘い合わせのうえアトリエ劇研までお越しください!


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vol.101上演会
3月17日(日)17:00
3月18日(月)19:00 *両日とも終演後合評会
上演協力金900円(前売り・当日共)

出演団体(50音順)
呼吸ら『子供を演じることのいくつかの考察』
突き抜け隊『Twilight Zone』
詳細: http://cttkyoto.jugem.jp/?eid=121
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劇場でお待ちしています!!!

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