2013年1月7日月曜日

覚束ないとは、このことか。

2013年初稽古

最初に、みなさんの正月の過ごし方を最初に聞きました。いわゆる雑談。
初詣や親孝行、年末バイト、出店、帰郷、本業を大切にしなさいという御神籤、26連勤、寝て気づいたら正月だった、劇研寄席、誕生日を迎えた、家族サービス、地点を観劇、などなど。

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「星座から見た地球」、12箇所のシーン創作へ。
まずは、読んだ感想やアイデアブレインストーミング。
可能であれば、今日の最後で、1分ほどの小作品をつくっていく。

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呼吸らメンバーが、この本から感じたこと
・音楽のボレロ
・ABCDバラバラで、不条理劇に思えた。
・ひらがなと漢字との使い分けが面白い。
・雰囲気だけが身体に入ってくる。具体的な内容が重要視されていないイメージ。
・筋の展開が見えない。性別もわからない。
・一人で読むよりも、二人で考えながら読んだ方が面白かった。
・写真みたいな雰囲気。映像でつながっていく。
・一つ一つの小さなイメージは残った。それを集めたら素敵かもしれない。
・最初はしんどかった。しかし、2日目以降は読める。
・自分を持て余している感じが面白い。
・淡々としているから、少し気持ち悪い。
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みなさんが思いついたアイデア

※数字は12シーンの各番号

岩崎:11 子供の遊び、ロープで電車ゴッコ
伝 :2、8、10  束縛された子どもたちを、ウルトラマンが助ける
岡田:10 心の中の声を全部録音
今木:4 想像がつかないから、風?
関口:4 お誕生日
菊池:1、4、8 全体に薄暗い光景、
浦瀬:5、7、9 ぐずぐず、ゲームセンター 呼吸の音
てい:5、6、7、12 特に12番 コーヒー牛乳、牛乳を吐いちゃう、服を着替える、服に躓く、肩車、巻き込む系ルールを使いたい
YAKO:10、1、8、自分のエピソード 多次元構造として、おもちゃのメロンパンが移動する、弟が生まれた日に月を見ていた記憶、次元が自然に繋がっていきたい
堀川:1、3、11 引っ越した家の思い出、壁に50音、子どもを探している話、録音した音声を使ってバスのシーン

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ウォーリー提案
まずは、チームでどういった方向性にしたいのか、沢山キーワードを出そう。



出た言葉(方向性)をカードにして、
1チーム3枚選び、1枚決める。

※◎はチームが選んだカード。

Aチーム 井の中の蛙、この瞬間から逃げたい、星座 
Bチーム 感情になる前、◎共有できる記憶、子どもらしからぬ子ども
Cチーム あれだよね、子供の足元、ざわざわする
Dチーム  オレンジ、覚束ない、俯瞰

<実技ワーク>
選んだ方向性をひとまず立ち上げましょう。
テキストを使わなくても良い。前回稽古でのルールも考えなくても良い。
ルールが手引きとなって、何か創造するのはOK。

30分後に実演。

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Dチーム 覚束ない

実演者説明)注射シーンを行った。注射するのかしないのか、その覚束なさを表現した。俯瞰は、無声にすることで表現。一言だけ話すルールを適用してみた。
ウォーリー所感)観客の心が動くのは、ドラマを見ての話じゃない☆

Cチーム あれだよね?
実演者説明)サスペンスドラマについてだらだら話す。最後は崖で二人が一致する。
ウォーリー所感)あれだよね?というモチーフを使ったぎこちなさ。二人の関係を想像した。最後の「崖」でほっとしたが、二人の関係性が乏しい。演者の予測していない事の情報の方が、面白い☆

Bチーム 共有する記憶
実演者説明)学校からの帰り道、カバン持ちジャンケン
ウォーリー所感)次を見てみよう!
観客所感)これが覚束なさかとわかった。予想外の情報が伝わることが分かった。

Aチーム 井の中の蛙
実演者説明)漢字を読めないが、テキストを読む。「A」という文字だけ読める、嬉しい三人。
ウォーリー所感)声質がノスタルジックだなぁ。共有できる記憶だ。

ウォーリー全体所感)
・目的をはっきりさせて、アイデアを考えるのは、あまり良くない事がわかった。経験上でもそういった事があることも思い出した。技術力の勝負になってしまう。
・この顔、この声、この年齢、皆さんの姿形がここにある。ここにいる人で何が出来るかの発想が大事なんだ☆
・技術の差はもちろんあるが、その違いも引き受けることが必要☆
・「星座から見た地球」が良いと思ったのは、全員子どもじゃないのにという点。誰もが子どもを経験している。

・Bチームで三人が子どもを演じていたが、浦瀬さんが一番子どもに見えた。

・子ども→演じる、イメージさせる、モチーフにする、
・今日引いた紙が「子ども」と書いてあったとしましょう。

・子どもは、0歳から12歳までとする。

来週、講師代行:伊藤


<前回から少し変更した、最新ルール>


絶対ルール

・作品は10分以内
・1つ以上の話を使ってください。
・板付きで始めてください。ではけ無し。
・既製の音楽はNG
・小道具は、子供の遊び道具を使うこと。
・マイムはNG。無対象の見たてはダメ。

選択ルール(2つ以上セレクトしてください。全体に適用される。
・セリフは全体で一言だけ。
・観客を巻き込む
・録音してきた音・声を使う。
・動きのルールを作る
・呼吸音(生音)を使う
・ほぼ動かない
・ほぼ止まらない
・自分たちの子供時代のエピソードを入れて下さい。できれば本当の。
→子供時代の共通イメージがあるはず。それを6月にやりたいと思っている。

チーム編成
岩崎・関口・菊池
がくりょう・YAKO・栗脇
今木・浦瀬・岡田
てい・堀川・伝
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<担当所感>
☆マーク太字箇所が、今回のワークのポイントだったかと思います。特に、「演者の予測していない事の情報の方が、面白い」という視点を得られたのはとてもよかったと思います。参加者の皆さんもこの言葉をきっかけに、自分たちが行っている事を、本当の意味で客観視できたような気がします。
”意図的に何かを見せようとすることと、不意に何かが見えてしまうこと。”
この狭間を意識して、そこを行ったり来たりする自分を認めることは、表現として(人間としても)、とても健全なことなような気がしました。

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