2012年10月15日月曜日

テンポが良いとは?

10月15日のワークです。

路上パフォーマンス in 神戸(これはあくまで通称。詳細はこちらをご覧ください。) が終了しました。総合演出をウォーリーさんがやっていた関係もあって、このクラスの参加者のうち数名が、パフォーマーとしてこちらにも参加したのです。最初にこの話があり、以下参加者の皆さんの声です。

・やこ
スタチューパフォーマンスをしていた。人形を抱えたまま止まった演技をしていたところ、子供が集まってきて、その人形を取り外そうとしていた。非常に困った。誰かに助けて欲しかった。

→高槻でのパフォーマンスの場合、誰もスタッフがいない。自分たちでそういった場合の対処方法を考えるべきだろう。おいしい、とすら思った方が良い。

※スタチューとはマイムの一種です。検索したら、こんなのが出てきました。
スタチューの楽しみ方 http://www.hm9.aitai.ne.jp/~rinosuke/statue3.htm

・岩崎
急に路上ではじまるから、お客さんのリアルな反応があった。きっかけで動くべきところを、観客から触れられたのをきっかけと思って動いた。予想外のことがおこる。

・てい
全身白い衣装、顔も白い、観客が驚く姿を見て、してやったり感を覚えた。ツイッターで検索すると、「白塗りがいて怖かった」という声があった。それが楽しかった。

・堀川
絡んでいた一般人が俳優に一人一人声かけてきた。「なあ、何してんの?」などと声をかけられたが、無言でうまく対応した。身内からのサプライズなどもあった。

・浦瀬
控室から一列で動いて行った。ただただ歩いていたが、周りから異様な目で見られた。それが面白かった。観客のガヤガヤする反応が面白かった。

・菊池
インプロビゼーションをしている時の人々の波が面白かった。二日目から、人と絡みたい欲求が出てきた。

・関口
一番後ろからみんなの姿を見たとき、すごく素敵だと思った。子供が親に質問しているのが、面白かった。写真を何度も撮られた。目の前で、おなじようにポーズをする人もいた。

→参加者の声を、大まかにまとめると

「一般のお客さんとの関係が重要になる場合もある。」

それぞれの話を聞いた後、高槻アート博覧会での路上パフォーマンスの話になりました。
実施日時 11月17日(土)
場所 JR高槻駅と阪急高槻市駅の周辺

以下、チーム編成とパフォーマンスが行われるだろう場所です。

<場所とチーム編成>
1)JRの陸橋  ☆
2)JR北側 (バス停、ステージ、本屋)  ヤコ、堀川、岩崎◎、菊池、伝、関口、浦瀬
3)松坂屋のギャラリー        緑川◎
4)エレベーター前        てい、やこ、堀川◎、上山、伝、浦瀬、今木、関口
5)郵便局                         やこ◎
6)温泉前の居酒屋           菊池◎、岡田
9)BARの角         岩崎、関口◎、今木
10)センター街 ◎        チーム1(てい、今木◎、上山) 緑川、浦瀬、伝、岡田
11)ベンチ ☆                
12)センター街入り口の低い信号        岩崎、てい◎、緑川
13)PARKINGの三角コーナー              堀川、上山◎
14)阪急前の広場                                  菊池◎、岡田、栗脇
16)ZAQ                                                 未定

各パフォーマンスの時間? → 2分〜10分




上記の通り、ほぼ決定しました。このチーム編成で、チーム毎に行うパフォーマンス、出し物を考えて、それを実施する、といった流れです。☆マークは、ウォーリー演出箇所です。それ以外に関しては、まずはチーム毎に作成、それを一度クラス内でお披露目して、練り込んでいく、といった流れです。

以上が本日の前半でした。

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後半は、楽器を使ったゲームを行いました。先週、先々週と、実は皆さんに楽器を持ってきてもらっていたのですが、毎回行うことが川の流れのように、くねくねと変化していくので、今まで一回も楽器を持ってきている意味がない!!、といった状況になっていたので、今日こそは、ということで、楽器を使ったワークでした。

しかし、いきなり楽器を使うのも・・・ということで、まずはリズムゲームをしました。

ゲーム1:牛タンゲーム (リンクはWikiです。通常は、回しながら「タン」と拍手する回数を増やすのですが、ひとまず今回は同じ拍をぐるぐる回しました)

→結果、どうしても間違ってしまう人が続出。そこでゲーム変更。

ゲーム2:カウント20
ルール 3人以上のチームを作る。チームで、一定のリズムを刻み、そのテンポで1から数字を数えていく。数えられるのは1名のみ。二人同時に数をかぞえるとアウト。20まで先に数えると勝ち。

カウント20を行う時、2チーム、6名ずつでした。上記の簡単なルールでしたが、チーム毎に自由に作戦を練って、どうしたら20まで数えられるか、といったことになっていました。(本来は?、相手との間を読みあうような、そんな狙いがあるような気もしたのですが、これはこれで、チームワーク合戦みたいな雰囲気になっていました)

チームAがとったパターン1
数を言う際に、次に数を言ってほしい人の顔を見て、パスをするように数を言う。

パターン1を使って、チームAがすぐに勝利。チームBは、なぜそんなに早く20まで数えられたんだ!?と不思議そうにしています。それを受け、追加ルールが加わりました。

追加ルール:下を向いてやる。顔パス禁止。

チームAがとったパターン2
下を向いているが、数を言う際に、次に数を言ってほしい人の方に、手を差し伸べる。

パターン2を使ってチームAが即勝利。チームBはずっと不思議がっていました。(チームワークの決めてになっていたのは、メンバーのどういった言動なのか、を考えると面白いなぁと思いました。)

上記二つのゲームを踏まえて、以下のお題が出されました。

「テンポがある芝居とはどういうことか?」

まずは参加者の声です。
・転回が早い
・不安にならない
・一定の波がある、強弱
・空気が途切れない
・無駄な間がない
・見る側にとって、息がしやすい
・臨場感

二つの回答が見られます。観客目線の答えと俳優目線の答えです。



「俳優目線で、テンポが良い芝居とは?」
・共演者同士のコンタクトが最小
・迷いが無い
・前の人にのっかる
・テンポリーダーがいる

テンポが良い芝居を考えるために、以下のチャレンジを行いました。これもチーム対抗戦です。

<チャレンジ1>
テキスト 数字
数字を数えるだけの作品をチーム対抗でつくる。テンポが良いなと思う芝居を作ってください。

○チームAが創ったパフォーマンス
数字を言いながら、お芝居をしている。
テンポを遅めないようにする意識があった。
言い方が似ている場合、ニュアンスを変えた方が面白いように感じた

○チームBが創った
数字を特定の物体に見たてて、それをパスして回すような感じの芝居。




1回目のクリエーションを経て、以下のルールを追加

追加ルール
・どの数字を誰がいうか、割り振りを決める。
・プロセニアムの劇場として上演してください。

○チームA2回目のパフォーマンス
寝ている子供とお母さん。寝ていた子供たちが起きてしまって、母親が怒る。

○チームB2回目
不思議な空間、最後とある男性が一番前に横入りする。

ウォーリー全体感想
どちらもテンポは良かっただろう。しかし、音楽的かどうか、といった視点がある。僕の中で音楽的とは、耳で楽しめる作品。耳の優先順位が高いと言っても良い。意味よりも音で楽しめるかどうか。テンポが良いことと、音楽的であることは違うんだ、ということがわかった。僕が好きなものは、音楽的なものだと思う。意味で戦うのか、音楽で戦うのか。そこに優劣はない、僕の好みの話。

実際にやってみた人の感想
・早いテンポがある時の方が、感情的に高ぶっている。早いと遅い
・テンポが良いとは、拍子が良い、とは違うのか?
・円になって順番に数字をいっていた拍子を私はずらした。その時にテンポが変化した。
・敢えてテンポを崩す、休拍をつくる?、変拍子?
・緊張と緩和の関係がある
→ずらすためには、テンポが必要である。

<チャレンジ2>
楽器をつかって、音楽的な作品を作ってください。チーム対抗。
数字カウントも同時に行う。

○チームA3回目のパフォーマンス
お経のシーン。木魚のリズムが一定に刻まれている。
1〜8の数字をお経の言葉に見たてている。
楽器の雰囲気が創作シーンにあっていた。
浦瀬さんの読経が良かった。
数字の強弱がよかった。
ボレロみたいだった。

○チームB3回目パフォーマンス
一定の音楽的な要素を行いながら、2回目と同じ芝居をする。
太鼓のリズムが基軸を作っている。
最初はPOPだったが、最終的には宗教になる。
音にバリエーションがあって面白かった。
個人個人に見えたのが、最後はまとまりに見えた。

ウォーリー全体感想
楽器のしながら、何かをやるのは難しいが、みんな頑張っていた。
チームAは、日本風で面白かった。外人になった気持ちで見ていた。
チームBは、演奏しながらの演技、歩きながらだととても難しい。
路上パフォーマンスでも楽器使っても良いです。
路上で意味を理解してもらうのは、とても難しい。

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以上で本日のワークは終了。残り時間で、路上パフォーマンスについて、各チームで話合いが持たれました。積極的な話し合いで、具体的に取り組み姿勢が見れました。


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ちなみに、テンポの芝居について考えていた時に、思い浮かんでいたものは、太田省吾作・演出の「水の駅」はテンポが良い芝居だったと言えるだろうか、ということです。これまた検索でヒットしたものですが、太田省吾作品について少し論じているサイトがあったので、貼ります。
存在は表現になるのか http://www.kengakusha.com/essay/sonzai-05.htm

上記のサイトの中に、太田氏が自作品のテンポに述べている箇所があります。
私の劇のテンポは遅い。かなり遅い。その遅さは、言ってみればどのような動作も、反復を含んだものとするためであり、そうしなければ見ることのできない人間の美を見ようとしていることなのかもしれない。  (太田省吾・著/『舞台の水』「<反復>と美」より/五柳書院)
また、テンポ・芝居で検索すると、こんなのも出てきます。
テンポについて http://yarukimedesu.fc2web.com/engeki_beya/engeki03.htm
音楽・演劇における基調のテンポ http://www5b.biglobe.ne.jp/~kabusk/dentoh44.htm


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