2012年7月30日月曜日

本当に同時に喋るとどうなるのか?

7月30日のワーク報告です。この日は、まず11月の試演会をどうするかといった話をしました。また、飲み会の日程も決めました。また8月の宿題をどうするかも決めました。そういった細々した事を決めていくのも、チームで動いていくために、とても重要な事ですね。(11月の件は、近々発表する予定です。)


8月の宿題をここに発表します。
夏の課題図書
1.なんでもいいから戯曲一冊
2.別役実の本なんでも一冊


1番は好きなシーンをコピーしてくる。それをみんなで読んでみる。
2番は感想を1分くらいで喋る。

また、今後のスケジュールは以下の通りを予定しています。


8月 本を読む。
9月 ロケハン、アイデアふくらます。
10月 練習、チーム分け
11月 試演会



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上記のような事を諸々話し合ったあと、本日のワークを行ないました。


今日のゲーム:同時に喋るゲーム。
2人ひと組で、同時に喋る。


沈黙と有言について。以下ゲームをやる中で参加者の皆さんの意見等を箇条書きにしています。


目線によってやりやすさ
ふたり同時に喋るのはいきあわせ
喋ってるときは息を出し続けるから緊張感
まってるときの呼吸リラックス
しゃべってるとき・・・身体揺れてる
しゃべってないときの方がじっとしている
しゃべってないときは言葉が聞こえる
しゃべる、息を吸うのがわかる
動きでわかる
リズム感がでてくる
2人で交互に喋るのはリズムが難しい
喋ってるときはリラックス
喋ってないときは息止めてる
息を止めてると視界がせばまる。クローズアップ。
呼吸が止まるときは相手に意識
息を止めると身体がとまる
とまってるときの相手のことを見てる。
息をとめるときはすごい相手のことを考えちゃう
息を止めると自然
息をはくと自然と色んなものが見える
息をとめた解放された瞬間が一体感がある
緊張感とリラックス


最終的に、ゲームの中で見えてきたこと(ゲームでは、二人同時に喋るの後に、一人が沈黙してるけど一人は喋っている、交互に沈黙しあう、などなど行いました)を踏まえて、3人組を4チーム作って、3分間の創作をしてもらいました。その中で見えてきたことが、俳優が沈黙している時に観ている側も沈黙し→リラックス、俳優が話している時に観ている側も有言→エネルギーを感じる、といった事です。


次週は休館日のため、ワークはお休みです。
11月の試演会については、近々情報オープンします。

2012年7月23日月曜日

嘘をつくのは難しい


4回目ワークです。メモに少し追記しながら、ブログに残します。

俳優とは?を考えるゲーム「嘘つきは誰だ」
3人1チーム、4チームで行います。
紙が各チームに配られる。3枚は何も書いてない。1枚は指示が書いてある。例えば、「ジャンケンをする」という指示がある。どのチームに指示の紙があるのか、考える。疑われたら、マイナスポイントが入る。

お題「ジャンケンを五回する」
指示1「勝った人は大喜びをする」
チーム黄色が、大敗。
敗因:最初にやったから?

指示2「いつもあいこ」
所感:様々なチームが不自然になっていきました。

お題「逆立ちをするシチュエーション」
指示3「逆立ちに失敗する」
チーム黄色が大敗
逆立ちを出来ない人がやれば、リアルに見えるかも?

お題「メールかブログかツイッターを読む」
指示「嘘をつく」
チーム黄色が大敗
なぜ大敗するのか? → 雰囲気がおかしい?

同じお題でもう一回同じチャレンジ。すると票がわかれる。
次のお題へ。

お題「誰かに電話する。」
指示「電話をする振り。」
票がわかれる。
結果:チームりすさん

お題「椅子を並べる」
指示「バカヤロー、いまなんじですか?、あくび」
チーム黄色大敗
・コトバのきっかけを探していた
・椅子がすぐに片付けられて、あくびをする時間がなかった。

その後、全員が同じお題「バカヤロー、いま何時?、あくび」で勝負。
それぞれのやり方を披露。芸術点を競う。ここで言う芸術点とは、如何に自然に出来ているかどうか。

所感
・思いっきり指示がわかるようにやる方法もある。敢えてのパターン。
・前の状態と今の状態との比較で、役者のリアルを判定する場合がある。
・ストーリーを作る=構成を立てるのではなく、自然なラインを考えた。雑談ベース
・椅子をゆっくりと並べたことで、時間を作ることが出来た。
・全員が同じ指示だということで、心の余裕が出た。
・2対1の状態をつくって、あくびをしやすくした。
・芸術点が低いチームの反省は、ゲームとして笑ってしまう事、会話のキャッチボールになっていない事、勝手に話している、わざとらしくならないようにと考えると話が続かなくなった、何もしない人がいなかったなど。

ここでチーム変えました。
お題「1、2、3の順番で競う」
4チーム走る、その後芸術点を見る

追加お題「走りながら、体の癖を出す」
追加お題「順位は、自己申告制」

所感
・体の癖をみようとすると、他の意図が見え辛くなる。

お題
一人は、一言も喋らない。但し、この人は時計を一分に十回は見る。他の二人は以下のセリフを言う。「どこまでいくの?」「なんで手汚れてるの?」「明日は違うでしょ」「さよなら」3人の中で1人、変な笑い方をする。最終的には、順番にその場を去る。

4チームの発表(ポイント制で競う)

参加者所感
・段々芝居らしくなってきた
・自然に出てくる難しさ
・言うタイミングを計ろうとすると、相手の話を聞く必要がある
・作らない演技が少しずつつかめた気がした
・伝聞の中でセリフをいうと言いやすい
・言おうとするよりも、そういった状況に如何にもっていけるか (短距離より長距離の方が、状況が作れる)
・動きと言葉の比重。
・相手に言わせる誘導をした方が、楽にいける。
・決められた事をしっかりやりつつも、自然に見えるのはとても難しい。普段、そんなに意識して行動しているだろうか。人間の普段と近い事を想定してやれば、なんとかなるのかも。
・自然のままにもっていくのは、とても難しい。意外と自然に見えない場合もある。嘘をついてないのに、嘘をついているように見える。それはショックだ。
・自然に演じようとしたら、素の自分になる。それだと魅せる意識が無くなる。

ウォーリー所感
一辺にたくさんの事は出来ない。人に観られるという点は今日はやらなかった。どこかで、人に観られる、と言う事はやります。コンテクストの話が良く出てくる本として、平田オリザ氏の著作があげられます。

<来週のテーマ>
ぎこちない人を演じてみよう?
8月は戯曲月間です。8月13日(月)までに戯曲を読んできてください。
どんな戯曲でも結構。持ってきた人が、その戯曲について詳しい事が必要。

2012年7月16日月曜日

その場にいる人数が増えると、コミュニケーションの質はどのように変わるのか。そして指演劇

3回目ワークです。前回の宿題から出発して、最後に指演劇にたどり着きました。ウォーリークラスでは、演劇とは一体なんなのか?俳優とは?コミュニケーションとは?といった事から考える事からスタートとしています。

最初から既存の答えを一方的にお伝えするのではなく、みんなで答えを探してみる、答えが見つかる事が目的ではなく、色々な考え方がある事、それを発見する過程こそが重要。そんなワークが今のところ続いています。

evernoteにメモをとっています。そのメモを貼り付ける形で、どういったワークが行われているかお伝えします。毎回こういった形で報告するかどうかは、少し検討中ですが、少しでも興味を持って頂ければ幸いです。

最初にやったこと:リラックス、呼吸、柔軟体操、プリンに埋れる。その後は、身体の一部一部を意識する作業。

例)右足のつまさき、左足のつまさき、ふくらはぎ、もも、こし、背中、お腹、胸、首、頭の先、その後は顔のパーツ、口、ほっぺ、鼻、右目、左目、顔にシワをいれる。とにかくシワを。

  その後、身体をダラーンとして、ゆっくりと背骨をのせていく、立って行く。

その後は、二人一組、背骨をちょっとずつ触る、その事でちょっとずつ立てる。背骨をちょっとずつ。

  所感)一気に進めて行く、エクササイズを当たり前のものとして。その事で、参加者は、自分の身体と向き合う(俳優として)、自然に声が出てくる。

所感2)ペアーで組ませる事で、自然と話し声が生まれる? 作業自体が身体的に面白いという事があるかもしれない。

討論)なぜ脱力するべきなのか?  ウォーリー意見「再現性の問題。脱力ができていないと、再現不可能ではないのか?」

  課題「2人、3人の話し合いをよく見る、その報告」
  ・動物園、親子の三人組、子供がライオンが怖くて泣いている、両親はそんなに怖くない。
・3人で話していた、電車内、3人が2人:1人
・女子高生二人が話していて、彼氏は寝ている。
・6人グループ、同窓会をした人たち、50代、去り際でも話が続く状態。
・3人、電車乗っている、最初は2人組かと思った。女、男、男、ラガール無くした、大丈夫?
・2人組、居酒屋カップル2人
・四人、男2人、女2人ネット上で知り合い、初めて会う。
・女3人組、AとBは仲良し、AとCは仲良し、BとCは悪い。
・夫婦、カタパンチ、上の子供が母の言葉を真似る。



実演1分もの

*セリフはどうでもいい。
*リーダーが進めて行く。
*15分で創作

1 居酒屋カップル
2 電車の三人
3 同窓会の去り際

感想
・6人だと誰が何を言っているかわからない。しかし、面白い
・二人が一番キャッチボールしやすい?
・三人組の時、一人話していない人への意識がある、6人の時はそういった事がない。
・二人の芝居が話になっていない。若者言葉がわからない。これは、会話なのか。
・三人組、必ず一人が止まる事になっている? しゃべろうとするとそれを制する人がいる?
・二人の時の距離感で、観ている方は息がしやすい。三人組だと、1:2とわかれて、物理的な距離かどうかわからないが、均等な三人ではなく、女性二人の心の距離感、カップルの距離があったように感じた。
・三人組の一人外れた方に意識が集中した。だから、2人組の話が入ってこない。二人の会話が盛り上がりすぎて、聞かなくても良いと思った。
・2人組も三人組もいたたまれない。1:1のバランスがとれてないといけない。
・三人だと、一人が話さない方が見やすい。しかし、今日のは、先週とは違った。
・はし休み感?
・1:1の最小単位

ウォーリー黒板
・日常との比較
2人      
3人      
4人      
5人      
6人      

・視線が変わる。みるべき対象が増える。
・聞くべき話が増える。しかし、人数が増えれば聞くべきという部分がなくなる?
・6人になると世間を気にし出す? 一人外れた人に気をかける。集団の力が働き始める。4人までは集団の力を感じない。
・3と4の違い。2、3は話題が一つ。4人だと二つのグループが発生する、つまり違う話題が発生する。5人で一つの話題を話すのはレアではないか? 3人と4人の境があるのでは?
・人数が増えるにつれて、会話の内容以外への意識が増える。
・二人だと会話がなくても居心地が良い?
・人数がいる方がしんどい。
・40人の前で話す時の例え、その時は1人に対して話すように話すべき。そのように私はしている。
・視線が変わる。

ウォーリー所感
・6人のは面白かった。単純に。意外とみんなちゃんと頑張っていた。アイデアとして膨らみそう。

・先日のゲーム。シチュエーションいれるとつまらなくなった。そこで、シチュエーション抜きでゲームに戻した。2人組と三人組の発表は複雑だった。日常の何かをピックアップした割には、様々な要素が多いから、日常を切り取ったという事が発見しづらい。

  <別のゲーム>
日常の会話を観察。人柄、間合い、そういったものは複雑。そこをシンプルにしよう。喋らないでできる事を行う。

ひとまず、指で何かをやろう。

2人組で表現。
3人組で表現。

その後、2と3の違い。
・3人の方がストーリーを作りやすかった。
・二人より三人の方が、指の表現が広がるような気がする。
・三人組だと敵意の表現をみんなやっていた。それは、わかりやすさのため?
・そのわかりやすさを、芝居でやると嘘くさい気がする。


一度、指にやったものを普通に演じてみることは可能か?

最後にもう一度、観察したシチュエーションを指にで表現してみる。


人数が面白いと思った。そこで、二人芝居、三人芝居、四人芝居の違いを探そうとした。人数が増えれば触れるほど、社会性が触れると思った。今回は、街で観察したものをおこなった。結果、先週とは違う感じになった。5人以上があったので違う感じに点もある。演劇をつくる場合の、色々な要素。何かに特化するために、指の演劇をやってみた。数の影響をみようと思って。

1回目は、敵対関係が多かったので、最後にやった。指の表現が多様化した。そういうことだろう。いまのが、演劇だと思う。セリフを作って役を演じるだけが演劇ではない。もっといえば、色々なワークをして行く時に指だけで発表したって良いんです! 

結局ダンスを作ったり抽象化する? 戯曲を中心に考えた場合は、こういった事が起こる。セリフも無い、指だけ。ダンスの人は、一回抽象化して、つくりだす。身体の動き、エネルギーだけで表現する方法が沢山ある。抽象化のアイデアは、今後もやっていく予定です。

指演劇の感想
・話さない時の沈黙が無い。
・いろんな表現があるなぁ。
・今日はじめて、なんとなく楽しかった
・身体の部位を使えば、なんでもできる。
・複雑なこともやれたなぁと。
・やれば伝わるもんだなぁ、驚いた。

  来週の宿題
・芝居の感想文!!!
・ここまでをまとめたことをやります。

2012年7月12日木曜日

ゼミのように

実質今回がこのクラスの初回となります。前回の講座を経て正式に参加を決めたメンバー13名と約1年をかけて作品を作ってゆくことになります。冒頭に「劇団」として活動したいということ、だからそれぞれが役者以外にも色々なスタッフワークをすることになるという話しがあり、つづいてどのようにこの講座を行ってゆくか(創作をしてゆくか)について、話がありました。ウォーリーさんから「(大学の)ゼミのように、問題を見つけて(この講座の中で)それを解決することを、テーマにしていきたい」という話しがありました。また、本公演に先駆けて小公演を今年の秋から冬にかけて行ないたいという構想が発表され、だいたいの日取りを決める段取りに入りました。


 後半は、具体的な演技のワークになりました。演劇ゲームを使っての作業です。グループに分かれて、互いの共通項を見つけてゆくゲームの応用です。こうした作業を通じて、問題を見つけそれを解決しながら作品を作っていくことになりそうです。
ところで、「ゼミ」ですので、宿題もでます。長期の宿題は「沢山作品を見ましょう」ということ。次回までの宿題は街の中で(生活する中で見つけた)、2〜4人のグループに注目して、彼らの行動(そのグループで各自がどんなことをしているか)をコピーするということです。
 いよいよスタートを切ったこの「ウォーリー木下クラス(ゼミ)」がどんな作品を生み出してゆくのか、楽しみです。

2012年7月9日月曜日

プレワークショップ開催

こちらのブログでは、7月9日から正式に始まる「アクターズラボ+ウォーリー木下」の様子をお伝えしていきます。

このクラスのために、説明会を事前に行っていました。その際には30名近い方がいらっしゃっていました。そして、今日が実際に講師であるウォーリー木下さんに出会い、講師自ら1年の大まかなプランを語り、実際に身体を動かし、そして個人面談を経て、7月9日から始まるクラスへの参加が可能かどうかを確認する日でした。

ウォーリーさんからは、今までやっていた方法ではなく、1年を使って、未検証な物事を少しずつ検証していきたい事が話されました。その流れのまま、「俳優とは?」という質問がなされ、参加者から以下の回答が出てきました。これがとっても面白いので、全部ここに書き記します。

<俳優とは???> 以下、参加者の回答。
・演じる人
・誰でもなれるけど、誰にもなれない (鑑賞に耐えうる)
・人に見られてなんぼ
・表現したいものがある
・演じることで何かを伝える
・楽器みたいな人
・表現の媒体に演劇を使っている
・ナルシスト
・自分だけど自分じゃない人間になれる
・登場するだけで期待できる
・無を有にする
・自分がはっきりわからない人(がやりがち)
・(わからない)
・数値化できない、くだらない仕事、何回やっても満足感が無い
・喜怒哀楽をいつでも自由に出したりできる人、その役にすぐにはまり込める


この質問のあとに、「俳優の条件、俳優の仕事でイメージする事は?」という質問がなされました。

<俳優の条件、仕事>
・人を惹きつける
・人の感情を動かす
・ストイック
・演技がうまい
・公私混同しない
・芝居が好き
・華がある
・セリフを覚える
・個性を活かす
・ギアチェンジがすっとできる
・人間観察
・想像力がある
・(わからない)
・上手い下手を超えた魅力があるかどうか
・相手の立場がわかる


ウォーリーさんから、「俳優を追求するとビジネス本のようになるのかなぁ?」という声。確かに、俳優業といった場合にイメージされる事が、まるでとても普遍的に素晴らしい人間についてイメージしているように聞こえて、これがとても面白く、とても新鮮。

この後、最も印象に残っている俳優、もしくは作品をそれぞれ挙げてもらいました。

<印象に残った俳優、作品>
・宮川サキ
・わが星
・山浦徹
・2008年のカルメン オペラ歌手
・鴻上尚史の芝居
・クロードレジの海のオードの俳優
・小林賢太郎
・坂口修一
・イッセー尾形
・感動したことが無い(別の転がり方があるだろうと)
・手塚とおる
・大滝秀治
・樹木希林
・小林薫
・芝居をみたことが無い。しかし、西田敏行が好き


この後は、実際に身体を動かすゲームを行いました。ワークショップでよく行われる「出会い」をモチーフにしたゲームです。そのゲームの途中から、「俳優としてイメージされたことばを意識して出会ってみよう」というニューゲームが行われました。俳優というイメージを伴って出会いを演じる時に、とても不思議な印象を参加者の皆様は得たようです。簡単にまとめてしまうと、ことばの上だけで「俳優のイメージ」を語り合う場合は、良い印象の言葉が多いのに対して、実際に「俳優のイメージ」に沿って演技をした場合に、それを行った皆さんの感想は否定的なものが多く、ぎこちなかった、意識しすぎ、などといった感想がたくさん出てきたのです。

そして次回から実際に、「アクターズラボ+ウォーリー木下」が始まります。総勢何名でのスタートなるのか。「俳優のイメージ」は、このクラスのなかで、今後どういった展開を見せるのでしょうか。ご期待下さい。